教室選びで重要なこと

上達法

こんにちは。久しぶりのブログ更新です。
今回はお子さんに将棋教室に通わせたいと思っている親御さん向けの記事です。

教室へ通う目的-何のために教室に通うのか

各家庭で、目的は異なるのが当たり前

教室に通う目的は、各家庭やお子さんのやる気によって、変わると思います。
「まずは基礎を教えてほしい」
「勉強方法を教えてほしい」
「色々な知識を教えてほしい」
「やる気を引き出してほしい」
など、色々と希望は異なると思います。

そのため、講師とどのようなスタンスで教室に通いたいのかを話し合うことが重要です。
(講師側からすると、なんとなく分かるものです。そのため、あまりそういったことを話したくない講師もいますが、まずは習い事として少しずつやりたいのか、初段になりたいのか、県大会で優勝したいのかくらいは話をしていても良いかと思います。)

当方にも、様々なスタンスの方がいらっしゃいます。
スタンスが異なるのは当然のことだと思いますし、それに対してこちらのスタンスを押し付ける気も全くございません。

将棋を始めたばかりですと多くの場合、まず基礎(セオリー、戦型)や勉強法を教えてほしいというケースがほとんどでしょう。

その場合、講師側もまずは基礎を教えることに多くの時間を割きます。
一方で、それらの多くは書籍や動画でも学べるものです。

それを勿体ないと思うのか、基礎から直接指導を受けた方が飲み込みがいいと思うのかも、各ご家庭で異なると思います。
個人的には、最初は基礎から指導を受ける形で良いと思います。徐々に自分で学べるように、学びたいと思うように環境整備していくのが講師と親御さんの仕事でもあると思います。

書籍や動画で学べることは自分で学んだ方が、レッスンの費用も抑えられるのでコスパ良いとは思いますが、その場合も、どこまでは何で学んだのかなどを講師とコミュニケーション取るのが良いかと思います。(当然、学んだのとできるのは異なりますが)

上達を目指す方が、教育的効果も高い

これは私見かもしれませんが、上達を目指した方が教育的効果も高いとは思います。
なぜなら、上達を目指す過程には
「学習習慣を身につける必要があること」
「簡単には上達できないことに対して、継続が必要であること」
「上位者に教えてもらうには、礼儀が必要であること」
に気づいたり、

「同世代の相手との競争」
「世代を超えた交流」
など、様々な経験を得ることができます。

また、何にもまして、上達すればするほど面白くなり、続けたいと思うものです。

教室選びの3つのポイント

【ポイント①】教室の方針・スタンス

最近ではオンラインのレッスンも増えてきましたし、いろんな形で教室に通うことができる、便利な時代になりました。
しかしだからこそ、各指導者も考え方が様々と思います。

【当教室の基本的な方針】
(1)上達を目指す
上達を目指す方が望ましいのは、上記で述べたとおりです。

(2)自分で学ぶことが基本
これは県代表クラスなどを目指すお子さんに対して特にですが、最近、他の指導者と話をしていて、「最近の子供たちは勉強しなさすぎる」と思います。

私が将棋を本格的に始めたのはもう20年以上前ですから、時代が違うのは重々承知の上なのですが、何事も上達するには自分で努力することが必要です。

将棋の世界でいえば、詰将棋を解き、定跡書を読むのは当たり前。
(上達したいと思えば、自然とやりたいと思うものです。親が強制するのはまた違います。親は環境整備に取り組むべきです。)

それをアウトプットする場が大会や道場、教室の方がコスパ良いですし、本に書いてあるようなことを教室で教えることは、本来の教室の価値を下げてしまうと思います。

この記事を読んで頂いている方は、私のことを知っている方も多いと思いますが、例えば四間飛車の山田定跡であれば、後手四間飛車が「54歩・63歩型」「53歩・64歩型」の時にどういう違いがあるのかなどは、前提として知っておいて欲しいのです。
(このような動画を観てください。https://www.youtube.com/watch?v=ltTDHKYz4PQ

(3)どんな動画・本が良いかの紹介もします
そうは言っても、何度か述べているように各家庭のスタンスは違いますし、今どきのお子さんは色々と習い事をすることが当たり前です。変な話、大人よりも忙しいところもあるんじゃないでしょうか。

私自身も、「本に書いてあるようなことでも、教室で教えなければならないかなあ」と思い、悩んだりもしています。

そのため、できるだけお薦めの動画や本の紹介をしていくようにもしたいと思いますし、宿題も極力出すようにします。

とはいえ、お子さん・保護者の方に思ってほしくないのは、教室に行けばそれでいいということではなく、自分で勉強することが前提であるということです。
(教室での学び3、自分での学び7くらいの比率くらいになってくると、上達が早いと思います。)

【ポイント②】指導の形式

重要な要素としてもう一つあるのは、少人数形式か、集団形式かの違いです。

集団形式の場合、定跡や手筋などのインプット系を学ぶにはメリットが大きいです。

ただ、個々人の状況に合わせることができないのはデメリットで、どんなに優秀な講師でも個々人に合わせることを前提とした場合、2-3名が最もクオリティ高い指導ができる限界です。

どんなに多くても4-5名。それ以上になると、大盤などを使った一斉形式をとらざるを得ませんので、個々人に合わせた指導は難しいです。
指導側の工夫としては、もし多人数になるのであれば参加者のレベルを合わせることと、双方向のコミュニケーションを取り入れることです。

そのため、当教室では、2-3名の教室をメインにして、それ以上の人数となる大盤形式は初心者教室のみとしています。
(オンラインの指導は5名までとしていますが、双方向のコミュニケーションを取り入れるようにしています。)

なお補足すると、受講生同士で対局させ、感想戦に入ることは有効な指導法の一つです。

【ポイント③】指導者の質-誰に頼むべきか

どのレベルの指導者にお願いするか。
プロにするのか、知り合いの有段者にするのかなど、迷うところでしょう。

正直言えば、初心者~6級くらいまでは、「プロないしは同等程度のトップアマ」に教わろうと、「知り合いの有段者」に教わろうと、大きな差はないと思います。(さすがに極端かもしれませんが。イメージはそんな感じです。)

ただ、5級以上くらいになれば、県代表経験など大会で実績がある指導者に教わるのが望ましいと考えます。

講師の知識もそうではありますが、重要なのは局面のポイントをとらえる大局観です。
正しい大局観を持つ講師でなければ、ポイントを正しく捉えることができないため、その後の成長の仕方には大きな違いが生じます。

また、戦型選択も一つです。例えば、低級者のうちから、穴熊なんてやることは推奨できません。

一般の人が、指導者の質・教室の価値を見極めることは大変難しい

プロとアマチュアトップの違い

全国にはいろんな将棋教室があります。
大変問題だなと思うのは、指導者の質を見極めるのはとても難しいという事実です。

ちなみに、一般の方にはアマチュアトップと、プロの差がなかなか分からないと思いますので参考情報ですが、以下にプロ棋士の実力を示すレーティングがあります。

棋士のレーティング https://shogidata.info/list/rateranking.html

もともとアマチュアで、プロ編集試験を受験して受かった瀬川さん、折田さんが1500点程度ですから、アマチュアトップのレーティングが1200~1500点程度であることが推察されます。
(アマチュアトップはプロの低段者と変わらないレベルです。)

本当の実力は評価が難しい

将棋の理解度を示す指数はないので、将棋ウォーズや将棋倶楽部24のレーティングをベースにするしかありませんが、実際の対面の将棋と、将棋ウォーズなどのレーティングは必ずしも一致しません。

実際の対面での対局と、アプリでは持ち時間が異なるためです。
将棋において、持ち時間の差は別の競技になるレベルで大きな要素です。

アマチュアの大会は持ち時間15分30秒~30分30秒が一般的であるのに対して、
・将棋ウォーズは10分切れ負け、3分切れ負け、10秒将棋。
・将棋倶楽部24はメインが30秒将棋
ですから、深く読む技術よりも、直観で指す力や知識の力が優先して評価されます。

そういったこともあるので、単純に将棋ウォーズ何段とかではなく、大会での実績などを評価するべきです。
また、選ぶ際には複数の教室・講師を比較することを推奨します。

まとめ

ちょっとはっきり書きすぎた気はしますが、そんな感じです。

個人的にはこの人とかに教わるのがが良い!というのはありますが、さすがにバイネームでは書けません笑
もちろんウチもそれなりのレベルだとは自負しています。

以上、教室選びの参考にしてください。

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