将棋の上達法(概要編)

上達法

こんにちは。
今日は将棋の上達法について書きたいと思います。

そもそも将棋の実力(棋力)とは

将棋の実力(棋力)を構成する要素

将棋の実力は以下の5つから構成されると思います。
”基礎となる、3つの力”
①形勢判断力(大局観)
②知識
③読みのスピード

「基礎となる3つの力」をもとにした”2つの力”
④直観力
⑤構想力

詳しくは以下で、解説します。

基礎となる、3つの力

【基礎となる、3つの力】
①形勢判断力(大局観)
将棋の形勢判断(大局観ともいわれる)は
「駒の損得」
「玉の固さ」
「駒の働き・駒の配置」
からなると言われています。

「駒の損得」「玉の固さ」については分かりやすいのですが、重要なのは「駒の働き・駒の配置」だと思っています。

②知識
文字通り、知識をどれだけ持っているかです。
具体的には「定跡」「手筋」「前例を知っているかどうか」「経験値」などであり、読みの代替をしてくれる効果があります。

③読みのスピード
読みのスピードは
(1)一つの変化を掘り下げる”直線読みのスピード”と、
(2)不要な変化(枝葉)を切り捨て、必要な変化(幹)を3パターン×5手程度読む、”枝葉を切り捨てる力”に分解できます。

”直線読みのスピード”は玉を詰ますことのみを考えれば良い、詰将棋で養うことができます。
”枝葉を切り捨てる力”を磨くためには①形勢判断力(大局観)を養う必要があります。

「基礎となる3つの力」をもとにした”2つの力”

【「基礎となる3つの力」をもとにした”2つの力”】
④直観力
直観力とは、羽生先生が著書でも記載しておりますが、”これまでに積み上げてきた知識や経験を、潜在的かつ瞬時に引き出す力”のことです。
・「一目ここ」という、急所をとらえる力
・前例がない局面に際した場合の判断力
とも言い換えできます。

⑤構想力
構想力とは、理想を立てて、理想を目指す上で逆算して読みの方向性を選択する力のことです。
昔、羽生先生の何かの著書に書いてあった記憶があるのですが、何も考えずに普通に指した10手後の局面(お互いに5手ずつ)を想像して、その局面でよいのかどうか、本当はどういう局面にしたいかを考えて、指し手を選ぶ方法です。

ちなみに、元奨励会三段のあらきっぺさんのブログには、読みには以下の2種類があると記載がありますが、方法2を指します。(方法1は直観力のことです。)
[方法1 直感を頼りに読む]
[方法2 理想の実現を目指して読む]
あらきっぺさんのブログ

それぞれの勉強法と効果

よく言われる将棋の勉強法は「実戦」「詰将棋」「棋譜並べ」の3つです。
その他、「棋書(将棋の本)を読む」というのも昔からの勉強法かと思います。

最近では上記に加え、「将棋に関する研究ブログなどを読む」「youtubeなどの動画を観る」「AIの活用」といった方法もあるかと思いますが、棋力(将棋の実力)ごとにどのような勉強法が効果的なのかを少し私なりに整理してみましたので、以下に記載します。

実戦

実戦、つまり将棋の対局を実際にすることは、何を置いても優先したい勉強法です。
自分とは異なる様々な戦法・様々な棋力の方の指し方を知ることができますし、何よりも実戦で考える過程こそが重要だからです。

また、指した将棋の振り返りである「感想戦」も上達に欠かせない、重要な要素です。
感想戦でお互いの読みを確認したり、上位者が何を考えているのかを教えてもらうことで棋力向上につながります。

今は将棋道場に行ったり、大会に出なくとも、インターネットによる対局もあるかと思いますので、最初は「ぴよ将棋」「将棋ウォーズ」「将棋倶楽部24」などのスマホアプリ・Webサイトを活用するのが良いかと思います。

詰将棋

詰将棋は意味がないという方もいるかもしれませんが、そんなことはないと思います。

詰将棋を行うことで
・③読みのスピード-直線読みのスピード
・集中力
・考え抜く力
といったものが磨かれていきます。

特に、級位者の方には詰将棋は必須と言われていますが、特別難しい問題でない限り、最低でも5手詰・7手詰くらいまではスラスラと解ける必要があると思います。
(できれば1問15秒程度、遅くとも1分以内)

お勧めの棋書は
「将棋・ひと目の詰み」(遠山先生の著書)
「5手詰ハンドブック」「7手詰ハンドブック」(浦野先生の著書)
あたりかと思います。

ちなみに、15手・17手を超える長手数の詰将棋を解くのも、もちろん価値があると思いますが、アマチュア四段以上、奨励会を目指す方くらいのレベルになってからで良いと思います。

棋譜並べ

「棋譜並べ」とはプロの対局の軌跡である棋譜を並べることで、プロの対局を知ることができます。

棋譜並べによる勉強法も
①10分程度でただ並べて、一局全体の流れを読み取る
②1局30分~1時間程度の時間をかけて、様々な変化を自分で検証してみる
と2つに分けることができますが、①は初段前後になってからやればよいかと思います。
また、②の勉強法は三段以上くらいにならないとなかなか自力では難しいと思います。

ちなみに棋譜並べではなく、「棋譜をアプリ等で観る」のは、上記①にあたります。

棋書(将棋の本)を読む、ブログ・動画を観るなどのインプット系

最近ではこれが一番メジャーな勉強法かと思います。
分かりやすく解説されているyoutubeなどの動画を観るのが、初心のうちでは比較的容易な勉強法と言えるでしょう。

将棋の棋力を構成する要素として「知識」がありますので、インプット系の勉強法については、将棋の覚えたてから高段者までずっと必要なことかと思います。

AIの活用

最近ではAIで研究しているプロが増えていますが、結論から言えば、AIの指し手が理解できるレベル、少なくともアマ四段以上になってからの活用が望ましいと思います。

級位者・低段者のうちからAIを使うと、自分で深く考えることを放棄することにもつながってしまいます。

棋力別のお勧め勉強法

上記を踏まえ、各棋力別の勉強法をまとめてみました。

初心者(15級~10級程度まで)

・実戦
・詰将棋
・棋書(将棋の本)を読む、ブログ・動画を観るなどのインプット系

→実戦7、詰将棋2、インプット系1くらいの割合のイメージです。

級位者(9級~5級程度まで)

・実戦、感想戦
・詰将棋
・棋書(将棋の本)を読む、ブログ・動画を観るなどのインプット系

→実戦7、詰将棋2、インプット系1くらいの割合のイメージです。

級位者(5級~1級程度まで)

・実戦、感想戦
・詰将棋
・棋書(将棋の本)を読む、ブログ・動画を観るなどのインプット系

→実戦6、詰将棋2、インプット系2くらいの割合のイメージです。

有段者(初段~三段程度まで)

・実戦、感想戦
・詰将棋
・棋譜並べ
・棋書(将棋の本)を読む、ブログ・動画を観るなどのインプット系

→実戦6、詰将棋1、インプット系3くらいの割合のイメージです。

有段者(四段以上)

・実戦、感想戦
・詰将棋
・棋譜並べ
・棋書(将棋の本)を読む、ブログ・動画を観るなどのインプット系
・AIの活用

→実戦6、詰将棋1、インプット系3くらいの割合のイメージです。

まとめ

将棋の勉強法は様々ありますが、楽しみながら仲間と交流するのが一番だと思います。
一方で、勝負事である以上、勝敗がつきますので、「ただ楽しく指す」というわけにはいきません。

是非、棋力向上と楽しみを両軸で考えて頂ければと思います。

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